【ONE】王座統一戦に野杁正明「絶対にKO決着で終わって僕が必ずベルトを巻いていることを約束する」正規王者スーパーボン「全く問題ない」
2025年11月16日(日)東京・有明アリーナで開催される『ONE 173』の一部カードが6月23日、会見にて発表された。同大会は、3月23日にさいたまスーパーアリーナで開催された『ONE 172』に続き、今年2度目の日本上陸となる。
ONEフェザー級(70.3kg)キックボクシング王座統一戦3分5Rで、正規王者スーパーボン(タイ)vs.暫定王者・野杁正明(team VASILEUS)が決定。
野杁は2009年にK-1甲子園初となる高校1年生王者になり、“怪物”と呼ばれるようになった。圧倒的なテクニックと類まれなるセンスでプロ転向後すぐにトップクラス入りし、WBCムエタイ日本スーパー・ライト級王座、第2代Krushウェルター級王座、NDC -66kg王座などを獲得。2017年6月には日本人選手として初めてゲーオ・ウィラサクレックに勝利し、第2代K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者に。
翌年にはウェルター級に転向し、ジョーダン・ピケオーには敗れたもののその後は連勝。2021年9月の「第2代ウェルター級王座決定トーナメント」を全試合KOで制して2階級制覇。2021年のMVPを獲得した。2022年6月の『THE MATCH』で海人との国内頂上決戦に敗れるが、その後は2連続KO勝ちで復活。
2024年6月に『ONE 167』でONE初参戦を果たしたがシッティチャイに判定3-0で敗れた。12月の2戦目でもリウ・メンヤンにも判定で敗れ連敗したが、2024年1月のシャーキル・タクレティ戦にて2RでKO勝ち。2025年3月の日本大会にてタワンチャイとONEフェザー級(70.3kg)キックボクシング暫定世界王者決定戦を行い、TKO勝ちで暫定王座に就いた。戦績は51勝(27KO)13敗。
スーパーボンはブアカーオの元で腕を磨き、2021年10月のONEフェザー級キックボクシング王座決定戦でジョルジオ・ペトロシアンを右ハイキックでKOして戴冠。2022年3月の『ONE:X』ではマラット・グレゴリアンを判定で完封し、初防衛にも成功した。2023年1月、チンギス・アラゾフに2R KO負けで王座陥落。12月にはONEフェザー級ムエタイ世界王者タワンチャイに挑戦も判定負けで王座奪取ならず。
しかし、2024年4月にマラット・グレゴリアンから判定勝ちし、フェザー級キックボクシング暫定王者(後に正規王者に認定)となった。2025年1月、タワンチャイのフェザー級ムエタイ世界王座に再挑戦したが、KOで敗れている。戦績は116勝(29KO)37敗。
会見には野杁とスーパーボンが揃って出席。互いの印象を聞かれると、野杁は「強いだけではなく上手い王者。タワンチャイ以上にパーフェクトな王者という印象があります」と、タワンチャイ以上の強敵と認識。
「タワンチャイと決まってワクワクしましたが、それ以上のワクワク感。ONEにずっと出ている選手だし、見ていた選手なのでそういう選手と統一戦が出来るのが嬉しい。感謝しているので、前回以上の衝撃を与えないといけないと思っているのでワクワクしています」とする。
この試合がメインイベントで行われることも発表され、「僕はメインだからとか試合順は気にせず戦っていますが、メインを任されるからにはそれなりの内容を証明しないといけない。絶対にKO決着で終わって僕が必ずベルトを巻いていることを約束するので、そこは楽しみにしておいて欲しい」と、KOで王座を統一すると宣言した。
試合期間が空いてしまうことには「僕自身も、もう1試合やってもよかったかなというのがありますが、連戦でけっこうやったのでしっかり休んで。次に向けてしっかり休養をとった方がいいんじゃないかって(トレーナーの)雅和さんとの話し合いの中で決めたことです」とする。
タワンチャイ戦の前には自身も10-0で不利と認識していたが、今回はどうかと聞かれると「今回もそれくらいじゃないですか。それくらいでいいと思います。その気持ちで挑みますし、その方がラクです(笑)。僕、ベルトを持っていますけれど暫定なので。仮のベルトですし、次勝たないと胸張って王者だと言えないので挑戦したいと思います」と、王座に挑戦する気持ちで行くとした。
スーパーボンと顔を合わせた印象については「ルンピニーで同じ控室で会ったことはあります。フェイスオフは初めてでしたが、試合直前ではなかったのでそんな印象には残らなかったですね」という。
「前回の試合も100点に近い試合が出来たかと言ったらそうではなかったし、練習でやったことが全て出たかと言ったらそうではないので、まだまだ強くなれると思いますし、まだ進化している自覚があるので次は前回以上を見せられるんじゃないかなと思っています」と、さらなる強さで挑むと意気込んだ。
一方、スーパーボンは「もちろん今回は絶対負けることが出来ない。負けられない戦いだと思っています」と厳しい表情。
試合期間が空いていることには「11月まで試合はないので、練習して準備を整えたい」と野杁戦に集中していくという。
怪我で日本大会を欠場して暫定王座決定戦が行われたようだが、との質問には「自分の体調には問題なくて怪我もなかった。たまたま対戦相手が探せなかったということだと思う」と、怪我はなかったと答えた。
自信を聞かれると「自信という意味では全試合自信を持っている。今回は王座を渡すわけにはいかないので絶対に負けられない」と、正規王者の座は絶対に渡さないと断言。
野杁のスタイルはやりにくいか、との問いには「特にやりにくいイメージは全くなくて、キックボクシングのキャリアの中で野杁と同じようなスタイルの相手と戦って勝っているので全く問題はない」と自信をのぞかせた。